人は他人により修復される。「コンビニ人間」【ネタばれなし】
普段、本をほとんど読まないのだけど、今年こそは月に一冊くらいは漫画以外の何かしらの本を読んでみようかなと思って、とりあえず読んでみたのが「コンビニ人間」。
内容はここには書かないけれども、帯の「コンビニこそが、私を世界の正常な部品にしてくれる。」の一文にもあるように、主人公はコンビニで働くことで、「世の中に必要な存在=正常な人間」になることができるという設定で、周囲からは浮いた存在として書かれてる。
周囲と違う存在は、修復されていくんだって。
個性を求める一方で、列を乱すものは徹底的に排除する動きがあったりする。
いつのまにか自分らしさがなくなっていって、自分の存在意義がなんだか分からなくなってくる。とにかく、周りの意見に同調していることが前提。その中で、当たり障りのない意見を発言して、周りの賛同を得て、喜んでいるフリをしてる。
今の僕はこんな感じだな。
お金をもらうために、仕事に行ってる。つまらない仕事だけど、やらなきゃお金もらえないし、飯を喰えない。よくわかんないけど、働く。自分の意見なんてないから、求められるとすごく困る。どうしようって振り絞って声に出したのは、どっちつかずの中途半端な意見だったりする。もしも、自分の意見を出してしまったら、ここ(今の会社)にはいられないだろうなって思うし、この会社がどうなろうと自分には関係ないから。
ああ、話が逸れてしまったけど、この本、読みやすかった。
自分の生活とリンクして、なんだか、つらい現実を突きつけられてる気持ちになった。
後味は良くない。