かっこよくありたい。

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毎日を楽しく生きたい。30代ゲイが、雑多に日常をつづるブログ。

ひと夏の恋。

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長かった梅雨も明けて、いよいよ夏の始まりだ。

今年は特に暑い。

 

8月上旬、周りの同僚よりも少し早めの夏休みをもらった。

 

せっかくの夏休みだから、なんとなく暇なので、久しぶりにアプリを使ってみることにした。

 

話相手でも見つかればな、なんていう気持ちで始めたら、3日もしないうちに、

ある一人の男に会うことになった。

 

彼の名前はカズ。

 

カズからのアプローチがあり、お互い仕事の夏休み期間だったこともあって、

会う場所は一人暮らしの彼の家に。

 

正直、いきなり家に行くのは不安だったのだけど、何かがあったら逃げればいいやぐらいの気持ちで、向かった。

 

自宅から、電車バスを乗り継いで、カズの家まで、1時間半ぐらい。

なかなかの長旅だ。

 

初対面の人の家で、宅飲み。

 

これで、何もないはずがない。笑

 

半分、わかっていながらも、家に行った。

 

待ち合わせのコンビニに向かうと、カズはそこにいなかった。

すぐにメッセージを送ると、あとからカズと思しき人物が入ってきた。

一礼し、カズのおごりで酒を買う。

 

初対面の印象は、正直悪くない。

アプリで見た写真よりもイケている。

 

顔写真の交換をしたときに、相手もこちらを気に入ってくれたこともあり、

なんとなく気持ちは前向きだった。

 

カズの住むアパートまでの坂道を2人並んで登る。

駅からバスで10分程度の住宅街。

時折、公園らしき広場も見える。

落ち着いていて、とても雰囲気いい場所だった。

 

時刻は午後5時過ぎ。

 

夏の夕日に照らされた彼の横顔がまぶしかった。

 

実は一人暮らしの他人の家に上がり込むのは、初めてだった。

 

家に入ってすぐ、ソファに通されたが、まったく落ち着かない。

 

とりあえずの乾杯をして、カズがツマミの準備をする様子を気にしながら、部屋の中を見渡した。

 

すぐに目に入ったのは、ベッドルームに飾ってある巨人軍のユニフォームだ。

そういえば、アプリの自己紹介に野球観戦が好きとあった。

 

部屋の中は必要最低限の物しかない。

 

というか、ホコリ一つない。まだ引っ越したばかりだと言っていた。

 

お互いの自己紹介を軽く済ませ、話始めると、驚くことがたくさんあった。

 

というか、この人は自分と全く違う感覚を持っているのだと、気が付いた。

 

白黒ハッキリさせたいタイプ。

これまでの男遍歴を聞いたら、関係がちょっとでも怪しくなったら、少しでも気に入らなかったら、即ブロックだと言っていた。

 

自分とは真逆だ。

 

わざわざこちらは、彼の家にまで出向いたのに、

「自分が逆の立場だったら、絶対に出向いたりはしないよ。」とまで言われた。

 

人との出会いにコスパを求めるタイプだ。

 

正直、野球について全く知識のない自分は、彼が見ている野球中継には興味が無かった。

彼が語る、野球情報も本当にピンと来なくて、正直、これは来て失敗だったな~と思った。

 

ああ、やっぱり家に来るのはやめとけばよかった。

 

けれど、このままただ、自腹を切って遠出して、なおかつ自己否定されて帰るのだけは、いやだったので、この際と思ってモーションをかけてみた。

 

なにせ、見た目はそこそこタイプなのだ。

 

すると酔った勢いで案の定だった。

外が暗くなるにつれて、急接近した。

 

急接近しながら、カズの気持ちが強くぶつかってきた。

「好きかどうかわからないけど、気になる存在。」と言われた。

 

その日はそれで終了。

ああ、きっとこの人とはこれで終わりなのだなと思った。

 

帰りのバスでスマホを見ると、なんとLINE交換のお誘い。

もしかしたらこの関係、続くのかな?という淡い期待を寄せて。。

 

翌日の夜、すぐにLINEがきた。

また会いたいな、と言う。

お互いの唯一の共通点と思える、カラオケに行くことに。

 

5日後のカラオケ、カズに会えるのがすごく楽しみだった。

久しぶりの高揚感。これはきっと恋だなあと、思った。

 

いよいよカラオケ当日。楽しみにしすぎて、胸がはち切れそうだった。

待ち合わせの場所に早めにつく。

10分ほど待つと、カズがあとから現れた。

まだまだ見慣れない彼の横顔、後ろ姿。

なにせ、まだ出会ってから1週間も経っていないのだから。

 

もしかしたら、この恋イケるかも?と思う反面、引っかかるところはいくつもあった。

 

カラオケのフリータイム、暗い個室で少しのイチャイチャ。

なんとまあ、いやらしいのだろう。

 

そのあと、この5日間の寂しさを紛らわすように、彼の家に行った。

とにかく抱きしめた。このぬくもりを手放したくなくて、時間の許す限り。。

 

夏休み期間は終わり、仕事が始まった。

連休後の仕事ほど辛いものはない。脳みそが仕事モードになるまでに、いつもよりさらに時間がかかったように思う。

カズのことが頭から離れなかった。

 

その後LINEを交わすうちに、同じ週の金曜日、仕事帰りにご飯に行くことになった。

 

週末の休みにどこへ行くか相談をするためだ。

気持ちはワクワクするものの、なんとなく心のどこかで引っかかるものがあった。

 

彼の言動に、どうしても受け入れられない部分があったからだ。

自分と全く違う環境で生きてきた人間。住んでいる場所が同じ県内というだけ。

そして、同じゲイであるというだけ。

 

好きな気持ちと、、いや正しくは、もっとこの恋をしていたい気持ちと、

友達としてだったらきっと仲良くなれないなという気持ちが、交差していた。

 

きっと、この時点でもう、答えは出ていたのかもしれない。

 

仕事終わりの金曜日、顔を合わせるといつものカズ。

でも、なんとなく距離を感じた。

 

駅から少し離れたファミレスでビールと食事。

思えば、会うときはいつもお酒飲んでたなあ。

というか、お酒がないと話が弾まないんだった。

 

明日、どこに行こうかって話をしているけれど、まったく頭に入ってこない。

そのうちに、カズが明日はやっぱりやめにしようかと言い出した。

 

このパターンだ。自然消滅するやつ。

 

離れたくない気持ちと、このまま終わりにしたほうが良いって気持ちとが、

ぶつかり合っていた。

 

あと数分の間に、どうするか決めなければならない。

 

考える間もなく、口から言葉が出ていた。

 

彼にどうしても伝えたかったこと。

どちらにせよ、今後の関係を考えるなら、言わなければいけないと思ったから。

でも、それがきっと間違っていたんだな。

 

俺は彼を、否定してしまった。

 

結果としては、初めて会ったときに感じた違和感を拭えなかった。

もっと時間をかけていたら、歩み寄ることもあったのかなと思うこともあるけど、無理をしても、この関係はいつか切れてしまうから。

 

LINEの最後、お互いに「お元気で!」って言葉で締めくくった。

 

案の定、アプリとLINEはその後ブロックされたけど、それでも、すっきり終われてよかったと思う。

 

久々に燃えるような恋をした。

 

こんな恋は、久しぶりすぎて、、

最高に楽しくて、最高に辛かった、まさに「ひと夏の恋」。

 

カズ、お元気で!!!