ゲイに生まれて、辛かったこと。
僕は、物心ついた時にはすでに、好きな男の子がいたタイプのゲイです。
でも、おもしろいのはそのころはまだ、女の子も好きでした。
それがなんだか知らないうちに、好みが完全に男性のみになってしまいました。
そんな、ゲイの一人として生きてきた30年間の日常生活で、「あぁ、これは辛かったなぁ。」と思うことを、
書いてみたいと思います。
①バレたらどうしようという不安を、つねに抱えて生きること。
これに尽きます。子供のころから、お友達は男<女で、とにかく女の子の友達が多かった。そのころのほうが、実は素の自分が出てたのかな。
幼稚園~小学校時代は、ビーズ集め、シール集め、消しゴム集め、かわいい文房具に凝る、女の子だらけのチームの中でおままごとをして一人男の子だったのでお父さん役をやる、など、完全にコッチだった。そのため、周りの男子からは、心無い言葉を言われることもよくあった。
でも、中学に上がるころに、だんだんと女の子と遊ぶこともなくなり、そのころぐらいから男の子の友達が少しできました。そのぐらいの年になると、周りのみんなが大人になってきたからなのかな。
男の子の友達ができ始めると思うのは、バレちゃいけないってこと。
バレたら、また昔のように、嫌な目に合うと思ったんですよね。
そういう気持ちは、今もあって、やっぱり集団の中に入る時が一番苦手で、とにかくバレちゃいけないってことを、どこかで意識してる自分がいます。
②好きなものを、好きと言えないこと。
中学、高校とかになると、好きなアイドルとか、歌手とか、芸能人とかができ始めるのだけど、そういうのをあまり言えなかったり。
あとは、その逆で、好きではないものを好きと言わなきゃいけないということもある。
タイプの女性アイドルとか、アダルト女優とか、そういうのを考えておかないと、あれっ?って思われてしまう。もしくは、AVとかそういうの興味ないんです~みたいな設定にする。
③ふとした仕草にも気をつかうこと。
初対面の人相手でも、どうしても出てしまって、この人もしかして…って思われることがある。
正直、自分のどの部分に、そういう雰囲気が出てるのかわからないんだけれども、
普通にある程度仲良くなってきた学生時代の友達とかに、そっち系のからかいをされると、あれ?って思ってしまったり。笑
自分、どこでホゲてたんかな…?みたいな。
④一番大切な人に、嘘をつき続けること。
家族を欺かなきゃいけないなってことが、とても辛い。
もしかしたら、30年も一緒に生きてきたんだから、そりゃあ気が付いてるかもしれないけど、どうしても言えないや。
一人息子で、小さなころからたくさんの愛を受けて育った。
それなのに、ゲイでした。普通の結婚できません、孫の顔見られません。
っていう事実を突きつけるなんでできないや。
たとえ気が付いていたとしても、それを実際に言われるのと、そうかもしれないって思っているのじゃ全然違うことだから。
⑤カミングアウトしたらしたで、その後の関係性を維持すること。
実は、高校時代から仲の良かった友人3人には、カミングアウトをしています。
なぜしようと思ったんだろう?今となっては不思議だけれども、
その時は、もう、嘘をつき続けて生きていくのが辛かったんだと思う。
カミングアウトするってことは、秘密を共有するってこと。
解放したほうは、楽だけど、もしかしたらその真実のせいで、
カミングアウトされた相手を傷つけたりすることもあるってことを知りました。
⑥マイノリティで、色々と自信が持てないこと。
自分自身の性格の問題も大いにあるとは思っているのだけど、
大前提として、自分が世間一般からズレている存在だという認識があって、
色々なことに自信が持てずにいる。
もともとの心配性な性格もあり、新しいことに踏み出したりする勇気が持てずにいること。
⑦人に嫌われる、仲間外れにされることに敏感になること。
集団に入ることが苦手なのは、ゲイがばれて、人に嫌われたり、仲間外れにされてしまうことに恐怖心があるから。
社会人になってすぐのころ、30人ぐらいいた同期とは馴染めなかった。
飲み会なんて一度も参加したことが無かったし、そもそもそういう交流を拒んだから。
今の会社に来てからも、やっぱり集団は苦手で、そもそも飲み会とかほぼない会社だけど、同じチームの同僚や、上司にもどう思われてるかをつねに、考えてしまってる。
これでも昔よりは改善したほうだけど、それでもやはり、ふとした時に他人のモノサシで生きてる感がある。
⑧将来に対する不安、ロールモデルがないこと。
自分と同じゲイの人たちは、一体どんな生活をしているのだろう??
と思ったことがあります。
今でこそインターネット、SNSの発展で、離れたところの誰かの生活を垣間見ることはできるけれど、やはり、オープンではない世界ではある。
もしもネットを介して出会い、添い遂げる人を見つけられたとしたって、その後の人生のプランがはっきりとしないことは、とにかく不安に思うし、
そういう奇跡にありつける環境がめったにないということ自体が、とても辛い。
⑨定期的に鬱状態がおとずれること。
上記のようないくつかの不安を思ったときに、ふと我にかえる瞬間がある。
そんな時、自然と涙が溢れる気持ちになってしまうのは、きっと個人的なものだろうけど、やっぱり辛い。
何かに熱中していないと、とても孤独を感じてしまう。
その分、趣味にのめり込んだりもする。そうすると、周囲が見えなくなってしまう。
⑩恋愛に正直になれないこと。
スキになった人が、ノンケだとしたら、どうする??
というか、高確率でそうであるから、辛い。
たとえそうだったとして、気持ちを伝えたときに、余計に辛い思いをするから、
気持ちを伝えられずにいる。
自分に正直になれない恋愛ほど、辛いものはない。
とにかく辛いと感じたことを長々と書き出してみました。
もう、これが普通に感じているから、そこまで意識することも、ここ最近は少なくなりましたが、それでもふとしたことで急に落ち込むことがあります。
誰にでも辛いことはあるし、
ゲイとして生まれたことってなにも悪いことばかりでもない?
と思うこともありますがね。笑