もしも、ピーマンがはえたなら。
去年の秋、会社のビルが移転した。
新築の綺麗なビルだ。
そうすると取引先やなんかから、お祝いのいろんなものをいただくんだよね。
その中の一つに、胡蝶蘭があった。というか、一つどころじゃなくて、大きな植木鉢に植わった立派なやつが、5、6個はあったと思う。
でも、いつの間にか、どこかへもらわれたりしていって、残ったのは2つだけになった。
同僚のおばちゃんの内一人が、結構マメな性格で、胡蝶蘭の花が落ちて全てなくなってからも、毎日ずっと水をあげていた。
普通は胡蝶蘭って一度きりのもので、花が落ちたらそれっきりらしいんだけど、最近になってなんと、2つのうち1つに小さなつぼみができた。
去年の秋からだから、およそ半年以上にわたって水をあげ続けてた甲斐があったね~という話をしていたんだけど、そのおばちゃんがこんなことを言ってた。
これ、大きくなったらピーマンになって、ボトッて落ちたらどうしよう…?
まあ、確かにその小さなつぼみは、ピーマンに見えなくもないなと思った。